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INTERVIEW

インタビュー

岡本 貴司 先生

実践食物学科

製菓衛生師コース

栄養学や衛生学などを学び、はるかに安全なものを作ることができる製菓衛生師を目指せます。

学問の概要と学ぶことで身につく能力・観点を教えてください。

製菓衛生師コースは「製菓」と表現されていますが、洋菓子だけではなく製パン、和菓子、調理、それ以外にラッピング、リボンワーク、テーブルコーディネートまで、製菓に関連する分野すべての理論や技術を学ぶ学科になります。元々、調理と製菓は分類されることが多く、調理には魚や肉といった(ある程度完成された)素材があるのですが、製菓にはそういった素材がないという点で大きく異なります。お菓子のほとんどが小麦粉、卵、乳製品、砂糖で作られ、何万もの種類があります。そのため、製菓では調理技術だけで「もの」を作ることができません。「様々な理論を考え、組み合わせて作っていかないとお菓子にはならない」という部分から学生に教えていきます。授業では製菓理論、衛生法規、公衆衛生学、食品学、食品衛生学、栄養学、社会学といった理論や知識を学び、実習の中で実践から調理技術を習得していきます。調理師免許や栄養士免許は、卒業と同時に取得することができますが、製菓衛生師の免許は、卒業して受験資格を得てから、外部の公的機関で国家試験に合格しないと免許を取得することができません。この点が大きな違いです。製菓衛生師の方が免許取得に大幅に時間がかかるのは、調理師と比較して学習する分野が多く、単位数も大きく異なるためです。これから職場の責任者を目指す人は、製菓衛生師の免許が必要になります。その理由として、日本の食生活が様変わりしたため、厳しい食品衛生を求められるようになってきたという時代背景があります。また、製菓衛生師は、単にもの作りをするだけではなく、栄養学や衛生学などを学んでいることから、はるかに安全なものを作ることができるところにも存在価値があります。

製菓衛生師コースは、グローバリズムを起点とした法改正を見越して創設されたコースです。

先生の研究分野や仕事の上で関わられている領域から、東大阪大学の強みは何だと思われますか?また、他の大学にはない違いや独自性は何だと思われますか?

実践食物学科は、他の大学や専門学校ではほとんど存在しない「栄養士コース」と「製菓衛生師コース」で構成されています。近年、栄養成分やアレルギー成分などを考慮した食品が注目されており、現代の食品開発に栄養分析の知識と、調理技術、製菓の製造技術が必須となっています。卵はなぜ熱を加えると固まるのか、かき混ぜると泡が立つのはなぜかなど、理論をしっかりと勉強した上で技術を教えていきます。そのため理解が早く、技術の習得も早くなると考えています。理論と技術を同時に学ぶことが大切です。短期大学は2年しかないため、1年生のときに基礎となる部分を学び、2年生のときには、その基礎を土台としてして、応用を積み重ねていくという学びに変わります。製菓衛生師コースは、グローバリズムの影響を受けて日本国内でも食品栄養分析に力を入れるようになり、材料表示だけではなく栄養成分も表示しないといけない、という法律へと変わることを見越して開設されました。製菓衛生師コースで教えている先生は管理栄養士の方がほとんどです。それぞれの分野で実務経験も豊富で、実践に即した教育指導を行えることが強みです。その先生方が栄養学などを教えているので、様々な栄養分析および食品分析ができるようになる環境が整っています。また、少人数制の授業と、担任制によるきめ細やかな指導で、自立した社会人となれる人材育成を目指しています。アレルギーをもつ学生や、宗教上の理由で食事制限をしないといけない学生もいることから、それらすべてを考慮した新たなお菓子作りに挑戦していることも本コースの特徴です。これから食品に関する法律もますます厳しくなっていく中で、その時代の流れに対応できる栄養士や製菓衛生師を育成してくことが、本コースの狙いでもあります。

人を幸せに笑顔にさせることができる職業は、パティシェ、パテシェ―ルであると考える学生が多くなりました。

授業ではどのような学生がいますか?

洋菓子、和菓子、製パン、料理を子どものころから家庭で作った経験のある学生が、「人を幸せな気持ちにして笑顔を生み出せる職業は、パティシェ、パテシェ―ルである」と考え、それらの職業を目指す学生が多くなりました。今の学生は勉強するよりも、いろいろな面で、体を動かすことの方が好きなように感じます。私は附属の高校でも教えていますが、学ぶよりも、「とにかく自分で実践したい!」という学生がほとんどです。とにかくやらせてみて、できないことに気づかせることで、「もっとやりたい!」という気持ち(悔しさ)が強くなり、成長が加速すると感じています。また、昔と違って家庭環境も変化し、男女を問わず、小さいころから家で料理やお菓子作りを経験していることが多くなっていて、「家で作った料理やお菓子を食べてもらうと、相手に喜んでもらえて嬉しい。そんな職業はないかな?」と考えて入学してくる学生もいます。食べ物に興味があり、食べることが大好きな学生たちといろいろな洋菓子店、製パン店、カフェ、レストランの話題で盛り上がることも多々あります。昨年、洋菓子製造許可書を大学内の製菓実習室で取得しました。今後、学生が考案した商品を外部販売することが可能となり、商品の開発から製造、販売まで「挑戦してみたい!」と楽しみにしている学生もいます。

学生にとって食べ歩きも勉強のうち、「これを作りたい!」というものも実習メニューに取り入れています。

学生の成長を実感するのはどんな時ですか?また、エピソードがあれば教えてください。

短期大学部は2年間ですので、1年次は基本をしっかりと教育し、2年次は応用の授業を行います。ときには学生からのリクエストに合わせた授業内容に変更します。「メディアで何が流行っているのか」など、学生にとって情報収集や食べ歩きも勉強のうちですので、学生から「これを作りたい!」と言われたものを実習メニューに取り入れています。例えば、チョコレートチャンクピザ、ふわふわパンケーキなど、しっかりと最新の情報を取得して、実際に自分たちで製造することで興味も高まり、身につくスピードが早くなります。実習も基本的にワイワイと楽しみながら行い、作るときは真剣に取り組む、とオン・オフをしっかりつけています。調理は楽しんで作るということに意味があり、実践を通して成長を実感できる部分でもあると考えています。

時間の授業でも、自ら楽しんで実習を行うことで集中力が持続し、実践できる。

今回インタビューさせていただく学生とのエピソードを教えてください。

2020年は新型コロナウィルス感染症の影響で休講が増え、オンライン授業で課題提出を求めるだけの場面が多くなりました。理論はオンライン授業である程度対応ができるのですが、実習授業においては限りがあります。例年は対面で行っていた実習内容をオンライン授業でも試してみましたが、なかなか伝わらないということを痛感し、実習については安全面を十分考慮した上で、すべて対面の実習授業に切りかえました。7~8月に実施した実習では短時間の集中授業として、4限連続授業、時間にして6時間連続の実習授業を行いました。それでも学生たちは最後まで元気にがんばってくれました。長時間の授業でも、自ら楽しんで実習を行うことで集中力が持続し、実践できることを感じてもらえたのではないかと思います。最終的には予定していたすべてのカリキュラムを実施することができ、学生たちに学びを深めてもらうことができました。

プロとして学生一人ひとりに向き合ってアドバイスを行い、卒業まで責任を持って指導いたします。

保護者の方に伝えたい、東大阪大学の魅力は何でしょうか?

学生の個性を生かした教育、専門知識、技術だけではなく社会人としての教育を徹底指導しています。少人数制の強みである学生一人ひとりの個別指導が可能であり、大学ではめずらしい担任制度があります。担任である先生は、保護者の皆様と密に連絡をとるようにしています。何かあったときにご両親から電話やメールをいただくのですが、先生方はそれに真摯にお答えしているところが本コースの強みだと思っています。先生方は実務経験者ばかりなので、決められたカリキュラムでなく、学生の学力レベルに合わせながら実践で役立つ内容の授業を行っています。私たち教員は入学から卒業まで、その道のプロとして学生に向き合い、アドバイスしています。また、地方からの学生向けにキャンパス内に寮がありますので、学生食堂で職員が朝と晩に食事を作ってくれたり、警備員を配置して24時間警備を行ったりと、安心して入学していただける体制を整えています。在学中は先生と生徒の関係ですが、卒業すると先輩と後輩のような関係になるのもこの学校ならではです。卒業してからも連絡をくれたり、訪ねたりしてくれる卒業生が多くいることも嬉しく感じています。私たちが卒業まで責任を持って指導させていただきますので、ぜひ一度オープンキャンパスへご参加ください。

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